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作ってみたシリーズ01- フルデジタル個人トレーの作り方

こんにちは。コアフロント技工部の歯科技工士Nです!!「作ってみたシリーズ」では、これから歯科技工のデジタル化をお考えの歯科医師・歯科技工士の方向けに、実際に技工士が行っているさまざまなデジタル技工の作業フローを紹介していきます。

最近いろいろなところで導入されている技工作業のデジタル化って、実際にはどういう作業をするんだろう?
今までのアナログでの作業とどう違うのかな?
装置の導入を検討してはいるが、うまく使いこなせるのか自信がない

そんな疑問を解消出来るように、詳しく丁寧に解説していきます。

この記事は以下のような人におすすめです。
✓ デジタル技工の導入を検討している
✓ デジタル技工の流れを知りたい
✓ 今までアナログでやっていた作業との違いを知りたい

記念すべき第1回目は個人トレーを製作します。それでは、いきましょう!

目次
01. exocadでデザインする
02. 3Dプリンターで造形する
03. 仕上げ(サポート除去)
■ フルデジタル個人トレーのメリットとデメリット
■ まとめ

01. exocadでデザインする

今回はIOS(口腔内スキャナー)にて、スキャンしたデータを使用します。使用するデザインソフトはexocadのバイトスプリントモジュールです。

1-1. 初めに、カスタムトレーの挿入方向を決めます。

1-2. アンダーカットの出来る部分をブロックアウトします。

1-3. 外形線を引いていきます。

1-4. ベースの完成です。

1-5. 取っ手をつけます。

1-6. デコボコな面をスムージングしてならします。

1-7. ストッパーを付与します。

1-8. 最後に穴をあければデザイン完成です!

02. 3Dプリンターで造形する

デザインした個人トレーを3Dプリンターで造形していきます。使用するのはラピッドシェイプです。

2-1. ラピッドシェイプ付属のソフトウェアでサポート材をつけます。

2-2. サポート材の取付完了。

2-3. 取っ手の箇所に患者様名を入れる事も可能です。

2-4. 3Dプリンター本体にデータを送り、造形開始。

2-5. 約25分で造形が終わりました!

2-6. 洗浄、二次硬化後です。

03. 仕上げ(サポート除去)

最後の工程です。サポートを除去し、仕上げていきます。

3-1. サポート材をへし折ります。

3-2. サポート材の除去完了。

3-3. 表面のサポート材の跡をならします。

3-4. デジタルカスタムトレーの完成です!

フルデジタル個人トレーのメリットとデメリット

メリット

● 品質が一定のものができる
● 汚れや匂いが少ない
● 昼夜を問わずプリントができる
● 一度に多数作れる
● 火器類を使用しない

デメリット

● 色の種類が少ない
● 機材、ソフトの操作に慣れが必要

まとめ

デジタルで個人トレーを作成した場合、完成までの時間は従来の方法よりかかりますが、待ち時間を除いて作業時間のみを比較するとさほど大差がないように感じました。従来法に比べると、汚れや匂いが少なく、常に一定の品質を確保出来ることが一番のメリットだと思います。

新人がまず初めにやるのが個人トレーからになると思いますが、初めてでも簡単にある程度の品質が確保できるのがとても魅力に感じました。

 

今回使用した製品



監修:コアフロント技工部 歯科技工士N
歯科技工士専門学校を卒業後、研修科を経て入社。以後、コアフロント技術本部にて3Dプリンターのスペシャリストとしてフル回転で活躍中!

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